Sunday, November 01, 2009

セカイカメラ宝探しで遊びました。

 大学の学園祭で、セカイカメラを使った遊び「セカイカメラ宝探し」を実施した。バッテリや位置検出の精度は問題だったが、技術的に興味深い点も多かったので、まとめておく。
 学部の教員の5ゼミ合同でカフェ「メディ☆カフェ」を出店し、その一環として実施した。セカイカメラ宝探しは山口先生原案で、吉田ゼミが実施というような形態であった。参加者は多くなかったが、実施したことに意義はあったように思う。
 基本ルールは、よくある宝探しで、キャンパス内に散らばったヒントを集め、全部そろうと景品がもらえるというもの。今回はセカイカメラを使って、キャンパス内に散らばったエアタグ(画像とコメント)をヒントに、リアルなヒントとしてアルファベットの文字を集め、英単語を完成させるということにした。ちなみに参加者に配布したものはこちら。  実際に実験してみて分かったのは、次の通り。まずpositive aspectで4点。
  • リアルとバーチャルをつなぐエアタグを実用化した点自体がまず興味深い。
  • フィルタ機能として、直近3日・1か月などの時間軸と、直近100mや300mなどの空間軸で、エアタグをフィルタリングする基本機能が実装されている。
  • エアタグとして、テキスト、写真、音の3メディアが選択可能である。
  • 細部まで作りこまれている。例えば、iPhoneの加速度センサに応じて貼り付けた写真が傾くなど。
 negative aspectでは、次の5点。
  • アプリケーションが利用者に任されている。
  • バッテリがあまり持たない(これはセカイカメラの問題ではないが)。
  • 位置検出の精度が高くない。
  • 画像の解像度が高くない。
  • エアタグの検索が多機能ではない。
 アプリケーションについては、開発者が「拡張現実ARの実用化を目指したのではない、"セカイカメラ"が作りたかった」に述べているとおり、新たな体験を利用者が作って欲しい、というスタンスのようだ。しかし多くの利用者にとっては、なにをしたらいいのか分からない、という感じではないだろうか。  バッテリについては、なにもセカイカメラの問題でも、iPhoneの問題でもなく、現在のモバイルデバイス一般い言えることだが、これは致し方ない。
 位置検出については、GPS自体の精度は数mまで高いはずだが、今回の「セカイカメラ宝探し」実験でいえば、数10mの誤差があるように思えた。およその方向をたよりにキャンパス内の「ヒント」を結構探さないといけない感じであった。
 画像の解像度については、おそらくサーバ側のストレージの問題で、画像1枚あたりのバイト数をかなり削っている印象を受けた。画像にいろいろなヒントを付けて宝探しに生かそうと思ったのだが、エアタグとして貼り付けた画像は、遠目にみてだいたい分かるような程度であった。
 エアタグの検索機能は、今後増えていくであろう。現在の実装でも、「シャウト」と呼ばれるエアタグを「飛ばす」機能が実装されている。大変興味深い。また、いわばエアタグのブックマークである「エアポケット」も実装されている。一度エアタグのある場所に行って「エアポケット」に入れておけば、以降はどの場所にいてもそのエアタグを参照できる。今後の機能追加や、アプリケーションの拡大が期待される。
 私の意見では、別に拡張現実AR(Augmented Reality)が流行っているわけではない。ARが現実に可能になったということではないだろうか。

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